HOME >> 筆者プロフィール >> 税務に関するスタンス

2006年04月11日

税務に関するスタンス

 税金とは国が固有の課税権に基づいて、国民に対し、一般的に、一方的に強制的に賦課し、徴収する金銭給付のことです。税金費用説など種々の考え方がありますが、現在の全の使い道を考えると、必ずしも納税者が負担すべき最小のコストであったかというと、決して賛成できません。確かに、治安の維持、インフラの整備や国防など、税でなければ賄えないものもありますが、権力や既得権益によってゆがめられた使い方をされているのも事実です。

 税金は憲法84条(租税法律主義)により、「新たに租税を課し、または現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とする。」と規定され、国民の権利・義務にとって、最も重大なかかわりをもつので、国会の議決の形式すなわち法律によらなければならないとされています。

 しかし一方で、日本は行政国家であり、法の執行は行政が行っています。行政を担っているのは、公務員ということになりますから、結局法の執行はそれぞれの公務員の裁量に任されているということになります。いわゆる裁量行政です。そして、この裁量の方向性を統一するために定められるのが、税の世界おいては「通達」というものなのです。

 初めに書いた通り、我々の私的財産は租税法律主義のもとに、法律に定められたもの以外には徴収されることは無いはずなのですが、実際には、通達や税務の執行官の裁量に多くの部分がゆだねられているというのが現実です。

 通達に基づく税務判断は法律に基づく判断に比べて劣位であるので、通達に偏らず、税理士は税法のみの正確な解釈と判断に基づいて仕事行うべきである、とする考え方もあります。最近では、このような考え方に基づいて、税務執行に不服があれば、裁判で、白黒はっきりさせようという動きもだいぶ出てきています。

 しかし、ここで私が重要だと考えるのは、私たちはお客様からフィーをいただいている以上、お客様の利益や財産をどのようにしたら最大限に守れるか、ということです。したがって、行政の判断の良否はさておき、お客様にリスクとリターンを説明し、お客様に悔いの残らない選択をしていただけるような情報提供することが大事であると考えております。

 以上のような背景を踏まえるとともに、もう1つ重要なのは、現在の裁判所の判例や不服申立所の採決においては、「課税の公平性」のもとに「通達」が一定の効力を持っているということです。さらに、租税裁判は、たとえ国に勝訴したとしても、裁判費用を国に負担させることは殆ど望めません。

 大切なのは、税理士は税法を正確かつ体系的に理解し、常に知識をリフレッシュし、自分自身の経験を深めながら、お客様に税の適用を説明し、アドバイスできることだと思います。税法理解するには、表面的な適用を追うだけではなく、その立法趣旨や変遷を理解することも大切だと考えております。

 最後に、最大限の節税は最良の経営につながるとは限らない、ということを付け加えたいと思います。税金を安くするには、利益を小さくする。または、税法を立法の趣旨にそぐわないような、極端な解釈をする必要があります。しかし、利益を小さくしたりマイナスにしたりすることは、金融機関からの評価を下げることにつながりますし、節税と税務リスクはトレード・オフの関係にあるということを理解して頂ければ思います。

投稿者 松波 竜太 on 2006年04月11日 22:50

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.maznami.biz/mt-tb.cgi/6

コメントを投稿

【筆者プロフィールカテゴリーの関連記事】

なぜ障害を持つ方のための就労応援なのか
雨の日ばかりは続かない
支部会報に寄稿しました
社会貢献
租税法研究会
全国お役立ち会計事務所100選
会計事務所のための自計化導入マニュアル
会計に関するスタンス
税務に関するスタンス
得意分野
筆者プロフィール
税金・会計に対するスタンス

« 一つ前のエントリーへ | メイン | 次のエントリーへ »

このエントリーを友達に紹介する!

友達のメールアドレス:

あなたのメールアドレス:

メッセージ(オプション):