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2006年08月10日

手許現金の設定

現金の一般的な管理法として定額資金前渡制(インプレスト・システム)があります。

念のため、制度の概要を書いておきます。

(1)月(週)初に一定額の現金を現金管理者に渡します。
(2)現金管理者は月(週)末に支払報告書を作成します。
(3)支払報告書の支払金額と同額を現金管理者に渡して補充をします。

と、簡単です。

残った金額を一度返してもらって、定額を現金管理者に渡すという方法もあります。

さて、ここで問題となるのが、現金管理者に渡しておく金額はどのように決めればよいのでしょうか?

 

ポイントは2つあります。

(1)担当者の権限に見合った金額である
(2)不足することがあまりない

(1)に関しては、担当者の信頼度と現金の必要性応じて決めるのはいうまでもありません。

今回は(2)の金額の求め方を考えてみたいと思います。考え方は、「過去のデータから期間当りの支出額の標準偏差を求めて、安全率をかける」、とシンプルですが、意外と使えます。基本的には在庫管理の考え方と同じです。

(1) まず、毎月の現金支出額を集計します。ここでは3年分(36ヶ月)を集計しています。
[ポイント]
 勘定奉行ならば、[日常処理2]-[試算表内訳]-[科目別内訳表]の現金で貸方の金額
 弥生会計ならば、[集計表]-[月次残高推移表]-[勘定科目別]の現金で貸方の金額  から求めると良いでしょう。

金額
15435,325
15586,690
15612,275
15724,222
15819,623
15946,625
151053,100
151117,504
151224,432
16122,991
16224,587
1637,958
16424,327
16558,112
16618,846
16765,447
16836,236
16962,177
1610143,865
161118,751
161246,296
17121,040
17233,557
17333,967
17442,534
17511,166
17640,046
17714,268
17836,364
17959,602
171074,230
171115,620
171213,650
18125,637
18230,426
18379,926

とりあえず、上記のようなデータだったとしましょう。(このままエクセルに貼り付けてください)

(2)次に、エクセルの[ツール]-[分析ツール]から「基本統計量」を選択して、下記のように設定します。

180810_1.jpg

(3) 「ok」ボタンを押すとE1セルから、次のような計算結果が表示されます。

 

平均38,373
標準誤差4,560
中央値 (メジアン)31,992
最頻値 (モード)#N/A
標準偏差27,359
分散748,511,233
尖度5
歪度2
範囲135,907
最小7,958
最大143,865
合計1,381,422
標本数36
最大値(1)143,865
最小値(1)7,958
信頼区間(95.0%)9,257

使う数値は、平均と標準偏差です。
ここで一応これらのデータが正規分布に従うと仮定してます。

標準偏差の1.64倍を平均に加算すると90%をカバーできますから、
27,359×1.64+38,373=83,241円

83,241円以上必要になるのは、5%(10%の半分)の確率しかありませんので、これだけ担当者に渡しておけば、まず現金が足りなくなるということは無いわけです。

担当者に「現金が足りなかったので、立て替えておきました~」と言われなくて済むわけです。

標準偏差が大きくて、「こんなに現金を渡せないな」と感じる場合には、もとのデータから最大値と最小値(はずれ値の可能性があるので)をのぞいて、再計算してみても良いでしょう。

ちなみに、上記データのヒストグラムを描くとこうなります。

180810_2.jpg

・・・2項分布の気もしますが、たくさんデータを集めれば、正規分布になると思います・・・
いずれにしても、83,241円渡しておけば、殆ど問題ないことがお分かりいただけますでしょうか。。。

この方法は、現金管理のみならず、「「儲かる経理」に30日で変わる究極の方法」の児玉尚彦先生が提唱されている、「キャッシュレス経理」を実践される際に、「仮払現金としていくら渡しておけばよいか」を考える際にも使えるかもしれません(私は使っています)。

投稿者 松波 竜太 on 2006年08月10日 16:20

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