業績予測をする場合の注意点
6月5日の日経新聞になりますが、2005年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に産むと推定される子のどの数を表す合計特殊出生率が1.25となったという記事がありました。
政府は年金制度を維持するために1.39への回復を前提にしていましたが、差が一段と開いたため、年金制度の設計などに使う将来推計人口の下方修正に乗り出す方針をきめたとのことでした。
人口推計の中位値を大きく下回り、低位値に近い推移をしているとのことで、今後の社会保障政策の見直しの必要性の有無が議論となっています。
人口推計のように不確定要素が多い場合には、高位値・中位値・低位値の3パターンの予測がなされます。高位値は楽観値、中位値は最頻値、低位値は悲観値と考えればわかりやすいと思います。
業績予測をする場合にも、不確定要素が多い場合には(予測機関が長い等多くの場合)は、予測前提条件を楽観・中間・悲観の3パターンを考えて、数値の組み立てを行うと良いでしょう。
短期業績予測は売上高・変動費・固定費といった区分に分けて行うのが一般的だと思います。
最頻値(中位)は過去の利益率のデータから 過去の平均値の推移を元に作成すれば、よいと思います。
楽観値(高位値)・悲観値(低位値)は、売上高と変動費についてはできれば取引先・商品ごとに予測したいものです。取引先・商品ごとにバラツキを計算して、グラフとを作成し、担当者とディスカッションしながら値を決めていきます。高位値・低位値共に平均値からプラスマイナス標準偏差の2倍の値をとると、これを外れる確率は上下それぞれ2.5%ずつですから、このあたりの値をもとに話を進めると良いと思います。
固定費は、変動費ほど損益に占める影響は少ないと思いますが、一応、楽観値(高位値)・悲観値(低位値)という点を考慮しながら値を決めていきます。
いずれにしても、大切なことはそれぞれの計算の前提条件をきちんと整理しておくことです。後で再検討するときに、何を元に数値を組み立てたのか分からないようでは話になりません。
このようにして作成した業績予測をもとに予算を作成し、毎月の実績と対比することによって、経営状態の変化を検証していくことが重要になってきます。
最後に、業績予測を過去のデータを元に行う場合、過去何期分のデータを使えばよいかという問題が生じます。余り過去に遡っても実勢にそぐわない場合が多いので、3~5期分程度を参考に組み立てるのが良いでしょう。
