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2008年01月14日

平均の使い方を誤っていませんか?

「平均」はある集団の特徴を表す代表値の一つです。

例えば、10人で構成される2つのグループのテスト結果を例にとります。

 12345678910 ←被験者番号 
Aグループ1584387296総得点 53平均 5.3
Bグループ2138475614総得点 41平均 4.1

この場合、Aグループの方がBグループよりも平均点が1.2点高いといいます。
この場合、Aグループの方はBグループよりも平均点で1.2点高い集団であるということが分かります。

ただ、これだけであれば、総得点を比べているのと全く変わりません。

平均が便利なのは要素数が違う集団との比較ができるからです。

 

次のようなケースを考えてみましょう。前の例と違うのは被験者数です。

 12345678910 ←被験者番号 
Aグループ15843872  総得点 38平均 4.75
Bグループ2138475614総得点 41平均 4.1

グループAは総得点ではグループBよりも3点低くなっていますが、
平均点でみると、グループAはグループBよりも平均点で0.65点高い集団であるということが分かります。

 

このことをふまえて、私達の周りの平均の使い方を考えてみたいと思います。

[問題]
Aグループ内の1点をとった1番の被験者にクラス平均の5.3点をめざして頑張りましょうとアドバイスするのは適切でしょうか?

 

[解答]
動機を与える意味で、目標の一つに定めるのは良いことかもしれませんが、平均点を目標とする根拠は全くありません。あくまで平均はその集団の特徴を表すための指標です。

 

[解説]
「他の人と同程度の成績をおさめる」
と考えであれば、 平均≠普通 なので注意が必要です。

これについては世帯貯蓄額(家計調査)で気になったことを記事を参考にして下さい。4z5_1.gif

平成16年における世帯あたり平均貯蓄額は1,728万円ですが、この値をみて、「となりの家も1,700万円くらいは持っているだろうから、我が家も頑張って貯めなくてはとは思いません。

むしろ、最頻値である200万円以下をみて、「あ~ぁ我が家も普通だな。」と考えるのが普通です。

 

平均値の使い方の正しいイメージは、例えば、次の<県別個人所得の比較>のような感じになります。

平成18年度の国税庁発表資料(国税庁>活動報告・発表・統計>統計情報>2 直接税)の、県別の所得税に関する資料を参考に見てみたいと思います。

kenabez200114.bmpこの表は、統計資料を加工したものです。

総所得額等は個人の所得税を計算する上での課税額を求める際の元になる金額です。

ほぼ、個人の収入(注)と考えてよい額です。

人数、総所得金額等の隣に、総所得金額等を人数でわった、県別一人当たり個人収入を計算しました。

(注:ほぼというのは、給与は給与の額の7割程度、事業所得や不動産所得は収入から経費を差引いた金額で計算されていると考えると分かりやすいと思います)

 

これを、総所得金額等順と一人当たりのランキング形式に並べ替えてみたいと思います。

kenbez.jpg (←クリックすると拡大します)

県別の総所得額等の合計では、東京都が第一位です。

1人当たり総所得額等においても、第1位から第4位までは変わりありませんが、第5位以降の順序は違います。

このように、人口が異なる県の収益力を比較するための道具が「平均」なのです。

 

これをふまえて、経営指標における平均の使い方を考えてみましょう。例えば、このような感じになります。

[正しい解釈の仕方]
・建設業の売上総利益率の平均と運送業の売上総利益率を比較して、運送業の方が利益率が高いことが分かった。

[誤った解釈の仕方]
・売上総利益率は業界平均以上だったが、固定資産長期適合率が業界平均を下回っているので、短期の借入金を長期の分割返済借入金に借換える努力を優先して行うようにしたい。
(平均との比較高低は、優先順位をはかる指標にはなりません)

各指標の経営に対する重みは異なります。

経営指標の重みは、社長の考え方やその企業によって異なるものだということを理解することが大切です。

全ての経営指標において平均点を目指しても強い経営になるということは証明できていませんし、感覚的にはそれは違うと思います。また、「強い経営」という表現もあいまいで、叙情的な表現です。

これも社長の考え方やその企業によって、目指す方向や、思考の傾向は異なりますし、同じ会社でも時間が経てば、また別のものになりますので、この様に経営すれば絶対間違いないという。定石を他に求めるのは間違いだと思います。

間違った、指標の見方をして、経営のバランスを崩すことの無いようにくれぐれもご注意下さい。

 

追記:平均の使い方著者メモ

[正しい]
・電話代の月額使用料平均は20,000円なので、利益予測をする際に、月当たり20,000円を根拠として使った。

[誤り]

投稿者 松波 竜太 on 2008年01月14日 01:56

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