失敗事例
今回は見当違いの典型例を示してみたいと思います。
私の経験不足で仮説を立てる方向性を思いっきり誤った事例です。
以後、「仮説を立てるときには思い込みを捨てる」ということをじっくり常に考えるようになった、思い出深い事例です。
このグラフは売上高と経費の関係を示したものです。
時系列データから、説明変数(X)を経費、被説明変数(Y)を売上高において、重回帰分析を行った結果の偏回帰係数をグラフにしたものです。
このグラフから分かることは、
・新聞図書費が1円増えると売上が約80円減る。
・受取配当金が1円増えると売上が約50円増える。
繰り返しになりますが、相関関係と因果関係は別のものです。
今回、受取配当金と売上の関係はどうみてもないかったので、たまたま売上の良い月と、有価証券の配当を受ける時期が一致しただけであろうと考えました。
ここまでは良かったのです。
問題は、新聞図書費の方でした。
業種はサービス業です。
新聞図書費はお客様へのサービスのための雑誌代でした。
そこで私は「雑誌を置くとお客様が雑誌を読みふけってしまい売上が減る」という仮説をおき、経営者に思い当たるフシがないか考えてもらいました。
しかし、結果は「全くそんなことはありえない」というものでした。
「計算上は99%の確率で売上と新聞図書費になんらかの関係がある」
と、なっているにも拘らずです。
しかし、経営者はすぐさま答えを見つけました。
雑誌の発売日は水曜日が多い
↓
水曜日が多い月は雑誌代が高い
↓
水曜日が多いつきは「土曜日・日曜日」が少ない
↓
「土曜日・日曜日」が少ない月は「土曜日・日曜日」多い月より売上が低い
従って、
雑誌代が高い=売上が少ない
という関係が成り立つというのです。
カレンダーをみてみるとその通りです。
「穴があったら入りたい」とはこのことですね。
因果関係は確かに成り立っていたのですが、
仮説の立て方が甘かったのですね。
この事例から分かったことがもう一つあります。
季節変動のほかに売上を左右する要素「土曜日・日曜日」は重要である
ということです。
商売をされている方には基本中の基本だと思うのですが、
はずかしながら、それまで私は前年同月比などを見るときに「土曜日・日曜日」など全く気にしたことがありませんでした。
しかし、
・事業所向けサービス⇒土日が多いと売上が下がる
・個人向けサービス⇒土日が多いと売上が上がる
とくに、土日に全体売上の80%程度を占めている商店などもあるのではないでしょうか。
そのような商店には、この影響はかなりあるのではないでしょうか!
土日の回数は8.9.10回のいずれかあるために売上が前年比で増減する確率は、
30日の月でも、31日の月でも
増える確率:29%
減る確率:29%
変わらない確率:42%
と、なります。
ちなみにうるう年を抜くと、曜日は毎年1日ずつずれます。
(例:2005/5/31(火)⇒2006/5/31(水))
このような確率を全く気にせず、
「前年同月より売上が増えましたね~」
などと、お客様と一喜一憂していた自分がとても恥ずかしいと今では思います。
これからも勉強あるのみだと思います。
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