HOME >> 数字にこだわる >> 売上増加の秘密を探る

2006年04月14日

売上増加の秘密を探る

cabc4a4c.jpg 
これはある外食企業の、売上高増加額と経費増加額を重回帰分析した際の偏回帰係数のグラフです。

説明変数(X)を経費の増加額、被説明変数(Y)を売上高増加額として、過去20か月分のデータを下に分析しました。

この分析からは、
・売上高が増えると増える経費
または
・この経費が増えると売上高が増える
のいずれかが分かることになります。
ちなみに売上高と経費の増加額は、
損益計算書の月次推移表から「x月-(x-1)月」という算式を入力して求めたものです(つまり前月と今月との差額です)。

分析結果をもとに、経営者との面談にすることよって、
意思決定に役立った事例です。

まず、このグラフから分かることは、
売上高増と関係の深い経費
・運賃
・仕入消耗品
・支払手数料
売上高増に反する費用
・接待交際費
・事務用消耗品費
・広告宣伝費
ということです。

再度、グラフの見方について触れておきますが、一番数値の大きい「運賃」を例にとると、「運賃が1円増えると売上高が142円増えている」ということを示しています。

この企業は通信販売業者ではなかったので、売上高が増えたから、運賃が増えたのではない。ということ仮設を立て、経営者に尋ねてみました。
やはり、運賃は「カタログ」等を宣伝のために配賦する際にかかる経費でした。
そこで、カタログの配賦は売上高の増加に貢献している割合が大きいことを説明しました。

仕入消耗品と支払手数料の内容はいわゆる「変動費」に該当する科目で、売上高が増加すると、増える経費ということでした。

次に、経営者の方に衝撃を与えたのが、「接待交際費」と「広告宣伝費」が売上高増加と逆の関係性を示しているということでした。

「接待交際費」については、売上高が大きい月は忙しいので「接待」等に係わる時間がさけない等の理由もあるかと考えられるので、接待交際費が売上高減に関係しているとは一概には言えません。

しかし、「広告宣伝費」については、売上増につながるどころか逆にマイナスになっているということを説明したところ「確かに雑誌などに広告を出しても良い感触がない」という感想を経営者も持っておりました。

この面談の結果、それまでは雑誌広告に重点を置いて広告をうっていたものを、インターネットのホームページの内容の拡充などにシフトすることになりました。

現在、この企業からは「ホームページをみたという新規のお客様が増えてきている」との結果報告を頂いております。

このように、単に「売上高を増やしましょう。固定費の削減をしましょう」ということではない分析を行うことができるのが、重回帰分析の良いところです。

今後、この企業については、分析データの対象月を少しずつスライドさせ、偏回帰係数の推移をとって、「運賃」「広告宣伝費」「接待交際費」のそれぞれの売上との偏回帰係数の推移を見ていく予定です。  
[関連記事]

 

会計ソフトから月次推移データをエクスポートする

エクセルで「利益⇔売上・販管費」の相関分析をする 
計算結果から因果関係を推測する 
売上増加の秘密を探る 
どの得意先に売ったら儲かるのか 
失敗事例 
エクセルで「売上や販管費」の相関分析をする際の会計ソフトの設定上の注意点 
期待する分析結果が出ない場合もある 
重回帰分析がうまくいかない場合

 

 

arrow_tenmetsu_d_r.gifをクリックするとtwitterでこの記事をつぶやくことができます!
Twitterに投稿♪

ブログランキングに参加しています。
この記事はお役に立ちましたでしょうか?
arrow_tenmetsu_d_r.gifをクリックして下さるとランクアップ!
いつも応援ありがとうございます。

banner_13.gif

投稿者 松波 竜太 on 2006年04月14日 00:09

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://maznami.biz/mt-tb.cgi/27

コメントを投稿

【数字にこだわるカテゴリーの関連記事】

データ分布は正規分布にしたがっているか
決算月の決め方
経営に関する真実
異常値と変化点の整理
収支分岐点(3)
収支分岐点(2)
経営の偏差値を知る
収支分岐点
平均の使い方を誤っていませんか?
【雑誌連載】 第6回 売上予測シミュレーションと業務適用時の注意点
【雑誌連載】 第5回 季節調整値を求める・異常値を論理的に効率的に見つける
【雑誌連載】 第4回 重回帰分析を使って次の一手を見つける
【雑誌連載】 第3回 標準偏差・相関係数の実務への応用と回帰分析
【雑誌連載】 第2回 これだけは押さえておきたい統計の基礎
【雑誌連載】会計データの分析は『統計解析』の視点から!
中途社員の給与の決め方
広告宣伝や接待の効果を知るには(先行指標を探す)
今後30年以内に震度6以上の揺れをもたらす地震の確率
12ヶ月サイクルの変動と考えてよいか調べる
先月よりも業績は良かったのか ( 季節調整値を求める )
生命保険を利用すべきか再投資すべきか
交通事故の確率
評論家になってはいまいか!
(過去の実績)お客様と一緒に考える
人間社会には物理の法則とは違う部分がある
中小企業のシェア
世帯貯蓄額(家計調査)で気になったこと
手許現金の設定
業績予測をする場合の注意点

サンプル数がいくつあれば正確なデータとなるのか
税務職員1人当たり法人数(東京都)
税務職員1人当たり個人数(埼玉県)
税務職員1人当たり法人数(埼玉県)
パートさんの手取りが逆転するポイント・復活するポイント
首都圏郊外の人口動態予測
重回帰分析がうまくいかない場合
失敗事例
どの得意先に売ったら儲かるのか
売上増加の秘密を探る
計算結果から因果関係を推測する
期待する分析結果が出ない場合もある
エクセルで「売上や販管費」の相関分析をする際の会計ソフトの設定上の注意点
エクセルで「利益⇔売上・販管費」の相関分析をする
エクセル「分析ツール」を準備する
会計ソフトから月次推移データをエクスポートする
データ分析を意識した会計データ入力のコツ
販売ソフトから導入しましょう
会計ソフト初期設定のコツ
月次推移を出力するのに適した会計ソフト
大切なのは仮説を立てて実地検証してみることです
中小企業に役立つ経営分析とは?
財務分析の限界
日別 家計支出 3年平均
<数字にこだわる>カテゴリの説明

« 一つ前のエントリーへ | メイン | 次のエントリーへ »

このエントリーを友達に紹介する!

友達のメールアドレス:

あなたのメールアドレス:

メッセージ(オプション):