決算月の決め方
法人は事業年度を自由に決めることが出来ます。
法人税法では1年を超える事業年度を認めていませんので、 そういう場合を除いては、事業年度終了月いわゆる決算月を、法人の都合に合わせて決めることが可能です。
国の会計年度が3月締めなので、それに合わせた3月決算法人が多いのですが、あくまで、決算月は法人の任意です。
そこで、今回は、決算月を何月に設定すると決算が組みやすいかということを検討してみたいと思います。
以下のような売上推移になるように事業年度を組めると理想形となります。
事業年度の前半に売上のピークが来て、後半落ち着いた売上になる。
なぜこの様な売上推移が理想かというと、理由は2つあります。
1.決算対策が練りやすい
2.経営分析のスコアがあがる
からです。
ほとんどの場合、売上の前年対比というは、プラスマイナス20%の範囲に収まります(今年は特別ですが) 。従って、決算予測を行う場合には、前年同月売上を参考にして考えます。
しかし、一概に20%と言っても、1億円の20%は2,000万円ですが、5,000万円の20%は1,000万円になります。
売上の大きな月が事業年度の後半に、特に、決算月前2月以内に来てしまうと、このブレが読めない分、大黒字になるか、赤字になるのか読めないというケースが想定されます。
したがって、事業年度の前半に売上のピークが来て、後半落ち着いた売上になる。という事業年度が、理想的なのです。
事業年度が始まって、二ヶ月間の売上が小さいのは、この時期に決算作業を行うからです。
経理と営業が全く分離されている会社であれば、売上の大小は、決算作業に関係ありませんので、この時期に売上のピークが来ていても問題ありません。
また、期末付近の売上が小さくなると、通常、期末時点の売掛金・棚卸の残高は小さくなります。
売上高と売掛金・棚卸高の比率を売上債権回転期間・棚卸回転期間といいますが、これらの数値は小さい(回転期間が短く、回転数が多い)ほど、金融機関期間が融資のときに行う経営分析のスコアがあがります。
逆に言うと、同じ年商でも、期末の売掛・棚卸の残高次第で、金融機関からの見られ方が変わってしまうのです。
したがって、この点からも、事業年度の前半に売上のピークが来て、後半落ち着いた売上になる。という事業年度が、理想的なのです。
今回は、移動平均と簡単な判定式を使って、最適な決算月をもとめるエクセルシートを作成してみました。
過去39か月分のデータを用意してください。
計算シートのA2に今の事業年度開始の月を、B2:B40に各月の売上データを入力してください(水色の部分が入力セルになります)。
※セルの参照が複雑なので、必ず39か月分のデータを入力してください。1月でも足りないと正しい結果が得られません。
すべて、入力が終わると
このように、決算最適月が求められます。
この月を事業年度終了月にもってくると、予測がしやすく、かつ、落ち着いて決算が出来るような事業年度設定になるはずです。
決算月は、会計事務所の都合に合わせてしまったり、設立月からちょうど1年が経過する月だったりと、意外と深く考えられていないものです。
しかし、 サンプルデータはお客様の実データなのですが、最小月と最大月では売上で2,000万円もの差があります。
この条件で、粗利率が40%だとして、20%の売上のブレがあるとすると、最大月と最小月、どちらを決算月にするか考えるとします。
最大月を決算月にしてしまった場合、最小月を決算月にする場合に比べて、利益にして、プラスマイナス160万円もブレが大きくなりますので、その分決算予測がしにくくなります。
決算数値が、最終月を締めてみるまで、全く分からないという状況を考えると、ゾッとしますね!
ぜひ、ご一考をお願いいたします。
このエクセルシートの計算のロジックは以下の通りです。
(1) 原データの4ヶ月移動平均を求める(決算-1月~決算+2月の平均値が最小となる場合を求めたいため)
(2) (1)のデータの3年平均をとり、最小の4ヶ月を求める
(3) 最小の4ヶ月のうち、2月目つまり決算月が、3年間の各月の単純平均の最大値となっていないか判定
(4) 最小の4ヶ月のうち、4月目つまり申告書提出月が、3年間の各月の単純平均の最大値となっていないか判定
(5) (3)(4)の条件を満たした場合→解、満たさない場合→2番目に小さい4ヶ月で、(3)(4)の条件を満たしているか判定
(6) 第3候補まで調べる
