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2006年10月17日

広告宣伝や接待の効果を知るには(先行指標を探す)

先行指標という用語があります。

系列Aよりも系列Bが少し遅れて変化する場合、

 期 系列A  系列B
 1 a1  b0
 2 a2 \ b1
 3 a3 \ b2
 4 a4 \ b3
 5 a5 \ b4
  ↓ \ ↓

たとえば、上の図のように1期ずつ遅れるような場合、系列Aは系列Bの先行指標であるといいます。

このような対応関係の有無を調べることにより、

例えば、広告宣伝費を増やした次の月には売上が上がる

接待交際費を使った次の次の月には売上が上がる

といった関係性を見出すことができます。

関係性が認めれる場合には、その経費を使うことによって売上が上がっている可能性があるということになります。

売上と売上原価の間に見られる関係はタイムラグ0となることが多いのですが、売上と販売費・一般管理費との関係ではこのようにタイムラグが発生するような関係が存在します。

 

今回は、系列Aと系列Bとの関係を、何期かずらせば対応関係があるのか、そうでないのかを調べる方法を紹介します。

 

方法としては、何期ずしたところが相関係数が一番大きくなるかということを調べます。

 

単に相関関係をしらべるといった場合には、

 期 系列A  系列B
 1 a1 ⇔ b1
 2 a2 ⇔ b2
 3 a3 ⇔ b3
 4 a4 ⇔ b4
 5 a5 ⇔ b5
  ↓  ↓

という様に、系列Aと系列Bの同じ期を1対と考えて相関係数を求めます。

その上で、系列Aと系列Bには相関関係が見られる とかその逆、という結果が得られる訳です。

 

ところが、系列Aよりも系列Bが少し遅れて変化する場合、

 期 系列A  系列B
 1 a1  b0
 2 a2 \ b1
 3 a3 \ b2
 4 a4 \ b3
 5 a5 \ b4
  ↓ \ ↓

たとえば、上の図のように1期ずつ遅れるような場合、

対応するのは、(a1,b1)(a2,b2)(a3,a4)なので、(a1,b0)(a2,b1)(a3,b2)の間には相関関係が認められないはずです。

 

つまり、一見相関関係がないと思われるデータでも、何期かずらすと相関関係が認められる場合があるということです。

これを調べるのが、交差相関という指標となります。

 

交差相関なんて難しそうな名前がついていますが計算は簡単です。しかし、たくさん計算する必要があるので大変なことは大変だと思います。

実際には、1期ずつずらしたデータ同士の相関係数を求めていきます。0期から前後にn-3期分の相関係数を求めなければなりませんので手間は結構かかります。

 

実際にラグ1の場合をみてみましょう。

  系列A 値-平均  系列B 値-平均
 101 1 -5.5  12 5.5
 102 2 -4.5 \ 1 -5.5
 103 3 -3.5 \ 2 -4.5
 104 4 -2.5 \ 3 -3.5
 105 5 -1.5 \ 4 -2.5
 106 6 -0.5 \ 5 -1.5
 107 7 0.5 \ 6 -0.5
 108 8 1.5 \ 7 0.5
 109 9 2.5 \ 8 1.5
 110 10 3.5 \ 9 2.5
 111 11 4.5 \ 10 3.5
 112 12 5.5 \ 11 4.5
 201 1 -5.5 \ 12 5.5
 202 2 -4.5 \ 1 -5.5
 203 3 -3.5 \ 2 -4.5
 204 4 -2.5 \ 3 -3.5
 205 5 -1.5 \ 4 -2.5
 206 6 -0.5 \ 5 -1.5
 207 7 0.5 \ 6 -0.5
 208 8 1.5 \ 7 0.5
 209 9 2.5 \ 8 1.5
 210 10 3.5 \ 9 2.5
 211 11 4.5 \ 10 3.5
 212 12 5.5 \ 11 4.5
 301 1 -5.5 \ 12 5.5
 302 2 -4.5 \ 1 -5.5
 303 3 -3.5 \ 2 -4.5
 304 4 -2.5 \ 3 -3.5
 305 5 -1.5 \ 4 -2.5
 306 6 -0.5 \ 5 -1.5
 307 7 0.5 \ 6 -0.5
 308 8 1.5 \ 7 0.5
 309 9 2.5 \ 8 1.5
 310 10 3.5 \ 9 2.5
 311 11 4.5 \ 10 3.5
 312 12 5.5  11 4.5

ここで、「系列Aの101期から311期」と「系列Bの102期から312期」の「値-平均の積和」について、それぞれ積和を平方和で割れば相関係数が求められます。

(-5.5×-5.5)+(-4.5×-4.5)+(-3.5×-3.5)+・・・+(2.5×2.5)+(3.5×3.5)+(4.5×4.5)
---------------------------------------------------------------------------------------------------------
{(-5.5)^2+(-4.5)^2+・・・+(3.5)^2+(4.5)^2}^(-0.5)}×{(-5.5)^2+(-4.5)^2+・・・+(3.5)^2+(4.5)^2}^(-0.5)}

=0.929487・・・

となります。

ちなみに、エクセルでは積和はsumproduct平方和はsumsqという関数で簡単に求められます。

 

同様にして求めた、ラグ-33期~33期の相関係数は

 ラグ 相関係数 ラグ 相関係数
 -33 -0.07051 1 0.929487
 -32 -0.1049 2 0.551282
 -31 -0.1183 3 0.231352
 -30 -0.11305 4 -0.02797
 -29 -0.09149 5 -0.22436
 -28 -0.05594 6 -0.35548
 -27 -0.00874 7 -0.419
 -26 0.047786 8 -0.41259
 -25 0.111305 9 -0.33392
 -24 0.179487 10 -0.18065
 -23 0.403846 11 0.049534
 -22 0.166667 12 0.358974
 -21 -0.0169 13 0.596154
 -20 -0.14918 14 0.371795
 -19 -0.23252 15 0.177739
 -18 -0.26923 16 0.016317
 -17 -0.26166 17 -0.11014
 -16 -0.21212 18 -0.1993
 -15 -0.12296 19 -0.24883
 -14 0.003497 20 -0.25641
 -13 0.164918 21 -0.2197
 -12 0.358974 22 -0.13636
 -11 0.737179 23 -0.00408
 -10 0.346154 24 0.179487
 -9 0.036713 25 0.262821
 -8 -0.19347 26 0.192308
 -7 -0.34674 27 0.124126
 -6 -0.42541 28 0.060606
 -5 -0.43182 29 0.004079
 -4 -0.3683 30 -0.04312
 -3 -0.23718 31 -0.07867
 -2 -0.04079 32 -0.10023
 -1 0.218531 33 -0.10548
 0 0.538462  

これをグラフにすると

kousa_graph.jpg

こうなります。

今回は1⇒12を3期連続続けただけの単純な数値でしたので、結果は予想通りラグ1期の相関係数が一番大きくなりました。

したがって、系列Aは系列Bに対して1期先行している可能性が一番大きいということになります。

 

 

先述のように、交差相関を求めるのは力技です。そこで、季節調整値を求めるエクセルシート同様、売上を基準とした交差相関が求められるエクセルシートをアップロードしておきました。

kousa_gamen.jpg

3期分の時系列データを[貼付シート]sheetに貼り付けて使用します(必ず3期分貼り付けてください)。

時系列データは売上科目が上の方の行にくることが多いので、1列目とそれ以降の行、2列目とそれ以降の行、3列目とそれ以降の行の交差相関をもとめて、最大ラグとその相関係数を求めて、N列からS列に表示するようにしました。

 

売上に対して広告宣伝費や接待交際費が先行していれば(ラグがマイナス)、これらの経費と売上に相関関係がある、つまり効果があるという可能性が出てくるというわけです。

 

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投稿者 松波 竜太 on 2006年10月17日 07:37

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