経営の偏差値を知る
あるデータが分布の中でどこに位置しているかを数値化した指標に、受験生におなじみの偏差値というものがあります。
偏差値を求める算式は次のとおりです。
これを使って経営分析の数値をみると、自社の経営状況を客観的に理解することができます。
「中小企業の経営指標」にも標準偏差という指標が乗っていることをご存知でしょうか?![]()
図は産業機械製造業の経営指標です。
この中から今回は、「3 売上高対営業利益率(%)」を見てみたいと思います。
平均は5.3%で標準偏差は6.4%となっています。
つまり、集計企業数168社の「売上高対営業利益率」は68.2%、つまり114社が-1.1%から11.7の間に入っていることが分かります。
例えば、平均値5.3%の倍の売上高対営業利益率すなわち10.6%となった会社があるとします。
平均企業の倍の値ですから、「素晴らしい業績ですね!」と手放しに誉めてあげたいところですが、
その偏差値を求めると、
となり、いわゆる「普通」の領域に収まってしまうのです。
この業種において偏差値70(早大・慶大レベル)を目標にするのであれば、算式から平均から標準偏差の2倍の距離をとった値になりますので、営業利益率は18.1%出さなくてはなりません。
平均値の実に3倍以上です。
これぐらいの値であれば、優良企業と言えるのではないでしょうか。
また、例えば、人間ドックの結果通知風に表現するのであれば次のようになります。
| 測定値(%) | 正常値 | 偏差値 | 評価 | |
| 売上高対営業利益率 | 10.6 | -1.1~11.7 | 58.2 | ○ |
| 自己資本対経常利益率 | -0.5 | -1.1~34.7 | 40.5 | △ |
いかがですか?
例え経常利益がマイナスでも、業界全体のポジションとすれば「まぁ、仕方がないか…」とボヤケバ済むレベルであることが分かります(あくまで、相対的な評価です。経常利益がマイナスというのは絶対値を考えると問題です)。
このような形にすると、平均点と比べて良い悪いといった単純な評価ではなく、自社の営業成績の相対的なポジションを把握することができます。
