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2006年09月15日

先月よりも業績は良かったのか ( 季節調整値を求める )

kicho180918_3.jpg

多くの中小企業が業績の検討に前年対比を使っているのではないでしょうか?

8月19日の日経新聞にこんな記事がありました。「アジアの統計共同整備」GDPについて、日米欧など主要国は四半期ごとの季節調整値を算出し、前の四半期からの伸びを公表していますが、中国やマレーシアなどは前年比だけなので、直近の経済成長率を単純比較できない。という内容でした。

 

ここで、ちょっと考えてみましょう。

今月新しい取り組みを始めて、その効果がどうだったのかを調べるときには、前年対比と前月対比どちらが有効でしょうか?

前月と比べた場合です。

前年との対比では、その「新しい取り組み」以外の要素による変化が相当含まれていると考えられるからです。

 

しかし、1ヶ月前と比べるというのは少々手間が掛かるのです(前年対比は簡単にできますが)。

たとえば、3月・12月は多くの業種で繁忙期で、2月・8月は閑散期です。ここで、例えば2月と3月を単純に比べて3月の業績が良かったからといって、喜べないのは当たり前です。

そこで、季節調整値(季節調整済み系列)という先月と今月を比較可能な系列に直す作業が必要となります。

今回はこの方法について検討したいと思います。

 

時系列データは、次の4つの変動成分の合成と考えられています。

傾向変動:長期にわたる持続的な変化
循環変動:周期的な変化
季節変動:季節的な変化
不規則変動:観測誤差など諸要因による変化

このうちの季節変動を除去したものが季節調整値(季節調整済み系列)ということになります。それぞれの変動の和なのか積なのかの2通りの考え方がありますが、今回は一般的な「積」の方法で求めていきます。

 

ここでは、単純に原系列が1⇒12と1ずつ増えて、それが毎期繰り返されるというデータを例に「季節調整値」の求め方を見ていきたいと思います。

[1]「傾向変動×循環変動」を求める

株などのチャート分析でお馴染みの移動平均は傾向変動と循環変動の合成です。データが偶数なので「中心化移動平均」を使います。また、相乗平均を使うほうが良いのですが、計算が面倒であれば相加平均でもそれ違わないので構いません。

[2]「季節変動×不規則変動」をもとめる

原系列を[1]のデータで割ると「季節変動×不規則変動」が求められます。

期 値 中心化相乗平均 季節変動*不規則変動 
 101 1  
 102 2  
 103 3  
 104 4  
 105

 5

  
 106 6  
 107 7 5.28852 1.323539
 108 8 5.28852 1.512616
 109 9 5.28852 1.701693
 110 10 5.28852 1.890769
 111 11 5.28852 2.079846
 112 12 5.28852 2.268923
 201 1 5.28852 0.189077
 202 2 5.28852 0.378154
 203 3 5.28852 0.567231
 204 4 5.28852 0.756308
 205 5 5.28852 0.945385
 206 6 5.28852 1.134462
 207 7 5.28852 1.323539
 208 8 5.28852 1.512616
 209 9 5.28852 1.701693
 210 10 5.28852 1.890769
 211 11 5.28852 2.079846
 212 12 5.28852 2.268923
 301 1 5.28852 0.189077
 302 2 5.28852 0.378154
 303 3 5.28852 0.567231
 304 4 5.28852 0.756308
 305 5 5.28852 0.945385
 306 6 5.28852 1.134462
 307 7  
 308 8  
 309 9  
 310 10  
 311 11  
 312 12  
    

[3]季節調整指数を求める

[2]の値を期毎に並べて相乗平均をとると「不規則変動」が除去されます。更にこれの合計が12となるように調整したものが「季節指数」と呼ばれる数値になります。

     相乗平均季節指数 
 1  0.189077 0.189077 0.189077 0.153846
 2  0.378154 0.378154 0.378154 0.307692
 3  0.567231 0.567231 0.567231 0.461538
 4  0.756308 0.756308 0.756308 0.615385
 5  0.945385 0.945385 0.945385 0.769231
 6  1.134462 1.134462 1.134462 0.923077
 7 1.323539 1.323539  1.323539 1.076923
 8 1.512616 1.512616  1.512616 1.230769
 9 1.701693 1.071693  1.701693 1.384615
 10 1.890769 1.890769  1.890769 1.538462
 11 2.079846 2.079846  2.079846 1.692308
 12 2.268923 2.268923  2.268923 1.846154
 ∑    14.748 12

各期の平均を取るためにはデータが2つ以上必要です。また、移動平均を取る際に初めと終わりの6期分のデータが無駄になってしまうので、季節調整値を求めるには最低でも3期分のデータが必要となります。

kisetusisu180918.jpg

 

[4]季節値調整値を求める

原系列を[3]の季節指数で割り戻したものが「季節調整値」と呼ばれるものとなります。

 期 原系列 季節指数 季節調整値
 301 1 0.153846 6.5
 302 2 0.307692 6.5
 303 3 0.461538 6.5
 304 4 0.615385 6.5
 305 5 0.769231 6.5
 306 6 0.923077 6.5
 307 7 1.076923 6.5
 308 8 1.230769 6.5
 309 9 1.384615 6.5
 310 10 1.538462 6.5
 311 11 1.692308 6.5
 312 12 1.846154 6.5

例のように季節調整値で見ると原系列が1⇒12と増えているのに対して、6.5と一定値となり「季節調整後」では全ての月で「前月と差がない」ということができます。

会計データの月次推移表を貼り付けると季節調整済みデータが作れるエクセルシートをアップロードしておきます。

kicho180918.jpg
season.xls

[貼付シート]のB2⇒AK301に横に展開された月次推移表を3期分貼り付けると[季調済シート]に季節調整済みデータが表示されます。一度に複数科目の季節調整値が求められます

 

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投稿者 松波 竜太 on 2006年09月15日 08:16

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