HOME >> 数字にこだわる >> 中小企業のシェア

2006年08月20日

中小企業のシェア

chusho_shea.jpg中小企業にとっての平成18年度の法人税法改正は、役員報酬面で課税要件が厳しくなり、かつ、役員報酬額によっては増税になるという厳しいものでした。

このブログでも対処法を検討してみましたが、どうして、中小企業の意見(世論)が課税当局に届かないのでしょうか?

日本の法人の99%が中小企業で、大企業は1%しかないのに、中小企業になかなか目が行かないのはどうしてなのでしょうか?今回の増税だけでなく、租税特別措置法をみても、ほとんどの税制が大企業向けのものです。

よく言われるのは、中小企業はほとんどが赤字で、日本の財政に貢献していないからだ。という議論です。

感覚だけでそういわれているのか、本当なのか、実際の数字で確認をしてみました。

 

資本金単位1億円未満1億円以上合計 
法人数 2,530,6600.9937,9930.012,568,6531.00
法人所得(1)百万円21,543,2160.3638,284,6310.6459,827,8471.00
従業者給与(2)百万円70,144,8920.4877,031,9130.52147,176,8051.00
(1)+(2)百万円91,688,1080.44115,316,5440.56207,004,6521.00

上の図が、資本金1億円で区切った、中小企業と大企業の、法人数、法人所得、従業者給与です。 

法人数は、先述のように99%を中小企業が占めています。統計学的に法人数だけを見ると、1%という数字は一般的には棄却域に入っているわけで、「日本では一般的に法人とは中小企業である」と言っても決して間違いではないわけです。

次に、法人所得と従業者給与をみても44%のシェアを持っています。決して大企業だけが日本を支えているわけではない、ということが明らかです!言い換えると、わずかに大企業とその従業者から生まれる所得のほうが多いだけなのです。

結局は、中小企業はまとまりが無いために発言力がないというだけのことかもしれませんね。。。取れるところから取ってしまおう!ということですね(怒!)

政治を通して、キチンと議論していかなければならないということでしょう。

[データ]http://www.nta.go.jp/category/toukei/tokei/menu/kaisya/h16/data/11.xls

 

ところで、中小企業の増税が行われると、必ず「中小企業イジメだ!」という意見が出ます。

しかし、この主張は半分あっていて、半分は間違いだと思います。

そもそも、中小企業=同族会社は、税の観点から捕捉率と恣意性の介入が問題になるわけです。

補足率というのは、昔からいう9.6.4(クロヨン)、または10.5.3.1(トーゴーサンピン)、のことで、

補足率(割) 職種 
10サラリーマン 9
5中小企業6
3農林水産4
1政治家 

ということから、もともと5割はごまかしているだろうという一般論

また、恣意性の介入というのは、株主=経営者なので都合のように利益操作をするだろう

という、2点から税の縛りがきつくなっているわけです。

組織の大きさをならべると、

サラリーマン<<中小企業<<大企業

と、なるわけですが、

課税当局としては、「大企業よりは課税要件が厳しくなっているかもしれないが、サラリーマンよりは得してるんでしょ」

という、見方をしてるわけです。

つまり、中小企業者が大企業の税制と比べて公平性に欠ける!と主張しても、課税当局は中小企業者はサラリーマンと比べて公平性に欠けるという反論があるわけです。

根本的な問題としては、ほとんどの日本人が「何が何でも税金を払いたくない!」という訳ではなく、「税を正しく使ってもらえないから払いたくない」という意見だと思います。

投稿者 松波 竜太 on 2006年08月20日 11:53

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.maznami.biz/mt-tb.cgi/133

コメントを投稿

【数字にこだわるカテゴリーの関連記事】

収支分岐点(3)
収支分岐点(2)
経営の偏差値を知る
収支分岐点
平均の使い方を誤っていませんか?
【雑誌連載】 第6回 売上予測シミュレーションと業務適用時の注意点
【雑誌連載】 第5回 季節調整値を求める・異常値を論理的に効率的に見つける
【雑誌連載】 第4回 重回帰分析を使って次の一手を見つける
【雑誌連載】 第3回 標準偏差・相関係数の実務への応用と回帰分析
【雑誌連載】 第2回 これだけは押さえておきたい統計の基礎
【雑誌連載】会計データの分析は『統計解析』の視点から!
中途社員の給与の決め方
広告宣伝や接待の効果を知るには(先行指標を探す)
今後30年以内に震度6以上の揺れをもたらす地震の確率
12ヶ月サイクルの変動と考えてよいか調べる
先月よりも業績は良かったのか ( 季節調整値を求める )
生命保険を利用すべきか再投資すべきか
交通事故の確率
評論家になってはいまいか!
(過去の実績)お客様と一緒に考える
人間社会には物理の法則とは違う部分がある
中小企業のシェア
世帯貯蓄額(家計調査)で気になったこと
手許現金の設定
業績予測をする場合の注意点

サンプル数がいくつあれば正確なデータとなるのか
税務職員1人当たり法人数(東京都)
税務職員1人当たり個人数(埼玉県)
税務職員1人当たり法人数(埼玉県)
パートさんの手取りが逆転するポイント・復活するポイント
首都圏郊外の人口動態予測
重回帰分析がうまくいかない場合
失敗事例
どの得意先に売ったら儲かるのか
売上増加の秘密を探る
計算結果から因果関係を推測する
期待する分析結果が出ない場合もある
エクセルで「売上や販管費」の相関分析をする際の会計ソフトの設定上の注意点
エクセルで「利益⇔売上・販管費」の相関分析をする
エクセル「分析ツール」を準備する
会計ソフトから月次推移データをエクスポートする
データ分析を意識した会計データ入力のコツ
販売ソフトから導入しましょう
会計ソフト初期設定のコツ
月次推移を出力するのに適した会計ソフト
大切なのは仮説を立てて実地検証してみることです
中小企業に役立つ経営分析とは?
財務分析の限界
日別 家計支出 3年平均
<数字にこだわる>カテゴリの説明

« 一つ前のエントリーへ | メイン | 次のエントリーへ »

このエントリーを友達に紹介する!

友達のメールアドレス:

あなたのメールアドレス:

メッセージ(オプション):