収支分岐点
実は恥ずかしながら、私は吉澤 大先生の「はじめての「独立・起業」なるほど成功ガイド」を読んで、初めて知りました。
損益分岐点は知っていましたが、「収支」についての分岐点です。
つまり、いくら売上があれば、収支トントンになるかという指標。(ヘタをすると損益分岐点の説明にこの表現が使われることもありますね…)
有名でもおかしくないこの指標ですが、私が今まで読んだ本の中には何故か出てきませんでした。
勉強不足に反省…
なぜあまり出てこないのか…
恐らくですが、定義があいまいなことと、計算式が難しいことの両方だと思います。
吉澤先生のブログより計算式を拝借すると…
(固定費ー非資金費用ー期首運転資金)/{限界利益率ー(売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-買入債務回転期間)}
確かに複雑ですね。
この式を簡単にすると以下のようになります。
…収支分岐点1式
これでも複雑なので、もう少し変形します。
期首・期末の運転資金が0であるならば、固定支出を限界利益率で割り戻したものとなることが理解できます。
ところが、この収支分岐点には計算式がもう一つあります。
こちらの式の方が、損益分岐点の式と似ているので、説明も理解もできます。
…収支分岐点2式
ちなみに損益分岐点を求める式は、
ですね。
つまり、固定費を固定支出に代えて、限界利益を増加運転資金の分だけ調整することにより、収支分岐点を求めているということになります。
収支分岐点1式との違いは、収支分岐点2式を変形すると分かります。
まずは増加運転資金を置き換えます。
さらに、「売上高×…」の形に変形します。
…収支分岐点2式②
(この式からも期首・期末の運転資金が0であるならば、固定支出を限界利益率で割り戻したものとなることがわかります。)
収支分岐点1式②と収支分岐点2式②の違いは「期首運転資金」が分子にあるか分母にあるかということになります。
分子から直接控除するか、分母に入れて割るかだけの違いです。
これは回転率(売上債権・買入債務・棚卸)の考え方の違いによるものと思います。
しかし、1式と2式では計算結果が結構違うのです。
たとえば、
売上高 1,230,000,000
変動費 880,000,000
固定費 270,000,000
減価償却費 20,000,000
法人税率 41%
借入金返済 40,000,000
期首売上債権 310,000,000
期末売上債権 330,000,000
期首棚卸資産 60,000,000
期末棚卸資産 50,000,000
期首買入債務 60,000,000
期末買入債務 90,000,000
この条件で、1式と2式の結果は…
1式 156,230,976
2式 1,073,091,892
この差は何なのでしょうか?
式の構造から考えると、固定支出と期首運転資金のバランスです。固定支出が大きくて期首運転資金が小さければ、差は小さくなるはずです。
今回の場合は、前提条件の売上に近いのは2式の結果です。
ということで、吉澤先生の式を離れて、当面は2式を中心に理解を深めていこうと思います。
…ところが、収支分岐点について考察を深めていらっしゃる、山本敏彦税理士はそのブログの中で、やはり1式の方が解が適切であることの方が多いとコメントなさっています。
迷うことの多い、この指標ですが、クライアントにとっても非常に重要な指標になることは間違いありません。
もっと、勉強して理解度を深めなければならないと痛感しました。
[参考]

