12ヶ月サイクルの変動と考えてよいか調べる
「先月よりも業績は良かったのか ( 季節調整値を求める )」では、時系列データが12ヶ月サイクルで変動していることを前提に話をしました。
しかし実際には、1~∞ のサイクルがあります。
この内、12ヶ月サイクルを前提として季節指数を調整できるのは、12ヶ月以下で循環するサイクルとなりますから、1を除いた12の約数である「2.3.4.6」期を周期とする変動をとる時系列データということになります。
グラフを見た感じで、大体1年サイクルで回っているかどうかの見当はつきますが、何ヶ月サイクルで回っているかを数値として認識する方法があります。
今回は、時系列データのサイクルを調べる方法について見ていきたいと思います。
具体的にはn期まであるk期のデータとk+1、k+2、k+3・・・k+n-1それぞれとの相関係数を求めて、何期ずらした場合の相関係数が一番大きいかを調べます。このような相関係数を「自己相関係数」といいます。
方法的には簡単で、上の図でいう右と左の期に対応する数値の相関係数を求めるだけです。(注:上図の一番右では1期とn期の関係性を見るかのようになっていますが、これはイメージです。実際には、相関係数の性質上1期とn期の相関係数を求めることは出来ません)
ただし、1期からn-1期分の相関係数を求めるなければなりませんので手間は結構かかります。
実際にk=1の場合をみてみましょう。
| 値 | 値-平均 | |
| 101 | 1 | -5.5 |
| 102 | 2 | -4.5 |
| 103 | 3 | -3.5 |
| 104 | 4 | -2.5 |
| 105 | 5 | -1.5 |
| 106 | 6 | -0.5 |
| 107 | 7 | 0.5 |
| 108 | 8 | 1.5 |
| 109 | 9 | 2.5 |
| 110 | 10 | 3.5 |
| 111 | 11 | 4.5 |
| 112 | 12 | 5.5 |
| 201 | 1 | -5.5 |
| 202 | 2 | -4.5 |
| 203 | 3 | -3.5 |
| 204 | 4 | -2.5 |
| 205 | 5 | -1.5 |
| 206 | 6 | -0.5 |
| 207 | 7 | 0.5 |
| 208 | 8 | 1.5 |
| 209 | 9 | 2.5 |
| 210 | 10 | 3.5 |
| 211 | 11 | 4.5 |
| 212 | 12 | 5.5 |
| 301 | 1 | -5.5 |
| 302 | 2 | -4.5 |
| 303 | 3 | -3.5 |
| 304 | 4 | -2.5 |
| 305 | 5 | -1.5 |
| 306 | 6 | -0.5 |
| 307 | 7 | 0.5 |
| 308 | 8 | 1.5 |
| 309 | 9 | 2.5 |
| 310 | 10 | 3.5 |
| 311 | 11 | 4.5 |
| 312 | 12 | 5.5 |
ここで、k期とk+1期の積和を二乗和で割れば相関係数が求められます。
(-5.5×-4.5)+(-4.5×-3.5)+(-3.5×-2.5)+・・・+(2.5×3.5)+(3.5×4.5)+(4.5×5.5)
----------------------------------------------------------------------------------
(-5.5)^2+(-4.5)^2+(-3.5)^2+・・・+(3.5)^2+(4.5)^2+(5.5)^2
=0.608974・・・
となります。
ちなみに、エクセルでは積和はsumproduct平方和はsumsqという関数で簡単に求められます。
同様にして求めた、k~n-2期の自己相関係数は
| ラグ | |
| 1 | 0.608974 |
| 2 | 0.276224 |
| 3 | 0.004079 |
| 4 | -0.20513 |
| 5 | -0.34907 |
| 6 | -0.42541 |
| 7 | -0.43182 |
| 8 | -0.36597 |
| 9 | -0.22552 |
| 10 | -0.00816 |
| 11 | 0.288462 |
| 12 | 0.666667 |
| 13 | 0.429487 |
| 14 | 0.222611 |
| 15 | 0.048368 |
| 16 | -0.09091 |
| 17 | -0.19289 |
| 18 | -0.25524 |
| 19 | -0.27564 |
| 20 | -0.25175 |
| 21 | -0.18124 |
| 22 | -0.06177 |
| 23 | 0.108974 |
| 24 | 0.333333 |
| 25 | 0.25 |
| 26 | 0.168998 |
| 27 | 0.92657 |
| 28 | 0.2331 |
| 29 | -0.03671 |
| 30 | -0.08508 |
| 31 | -0.11946 |
| 32 | -0.13753 |
| 33 | -0.13695 |
| 34 | -0.11538 |
これをグラフにすると
こうなります。
今回は1⇒12を3期連続続けただけの単純な数値でしたので、結果は予想通り12期の相関係数が一番大きくなりました。
したがって、12期を1サイクルとして循環している時系列である可能性が一番大きいということになります。
したがって、この場合は12ヶ月でみた季節調整が有効であることが分かります。
実は 「先月よりも業績は良かったのか ( 季節調整値を求める )」で紹介した、季節調整値を求めるエクセルシートの[季調済シート]の
N列にはラグをO列にはその相関係数が表示されるようになっています。
季節調整値を採用するか否かの判断に使用してください。
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