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2006年05月11日

役員報酬関係の改正

税理士会浦和支部の改正税法研修に参加しました。

18年度法人税の役員報酬関係は大きな改正が2点ありました。

①役員賞与が経費として認められるようになった(今までは税務上の経費にならなかった)
②実質1人会社の代表者報酬の「給与所得控除」が法人税の経費として認められなくなった(同族会社)

今日の研修内容は、今まで私が考えたこともなかったような細かな注意点についてでしたので、まとめておきたいと思います。

 

① 役員賞与

今までは役員報酬については、「毎月一定金額の支払い」が経費として認められる超基本条件とされていました。(期中に増減して利益調整できないようにという趣旨)それが、今回年度の初めに金額等を届出を税務署にしておけば、賞与も経費にして良いという風に改正されました。(法34)

この法人税法34条には、
1~3以外の給与のいずれにも該当しない場合には法人税計算上の経費として認めないということが書かれています。

①定期同額の給与
②届出をした賞与
③上場会社の利益連動賞与

ここまでは、18年度の税制改正を勉強された方なら周知のことです。

今日分かったことは、この法34①の定期同額の意義が政令69条に規定されており、その規定を見ると、

イ その改定前の各支給時期における支給額が同額である定期給与
ロ その改定以後の各支給時期における支給額が同額である定期給与

とあります。
これだけみると、今までと変わりがないよう見えます。

ところが、イとロを厳密に解釈すると、事業年度開始月までの遡り支給(調整)は認められないということになるのだそうです。

どういうことかというと、今までは3月決算の会社が5~6月に株主総会を開いて、役員報酬の増額を決めた場合、改定の時期を4月まで遡ることができたのです。それが、5月の総会で決めたら5月(6月の場合は当然6月)しか報酬を上げることができなくなるということを意味しています。

1~2か月分だけのことですが、年度によって損益が大きく変化するソフトウェア業などは、かなり影響を受けそうな気がしますね。

② 実質一人会社の社長報酬の損算入の制限

■ 制度の概要
実質的な一人会社(オーナーおよびその同族関係者等が株式等の90%以上を保有し、かつ、常務に従事する役員の過半数を占めている同族会社)のオーナーへの役員給与について、「経費の二重控除」に相当する部分(給与所得控除相当部分)の法人段階での損金算入を制限する。(ただし、①所得が年800万円以下である場合 ②所得が年800万円超年3,000万円以下であり、かつ、その所得に占めるオーナー給与の割合が50%以下である場合には、適用除外)(法35)

さて、ここでは問題です。

① 持株割合・・・株式11%を他人に持ってもらえば適用除外で間違いないか
② 役員割合・・・形式的な役員を増やせば適用除外になれるか
③ 業務を主宰する役員は自書押印した社長でよいか

もちろん答えは全て×です。 

②③については、すでに業界紙などでは答えが出ていて有名で、
②⇒実質的に経営に参画していない役員は含めない
③⇒社長に限らず「報酬の一番高い」役員を対象
として扱うことが分かっています。

今回分かったのは、①の持株割合についてです。
業界の噂では①は形式条件だけ満たされていれば良いようなので、
A 社長息子の奥さんのご両親(民法上の親族に当たらない)に株を持ってもらう
B 関与税理士が所有する
などの方法で回避できるのではないかと考えられていました。

私はこれらの回避策を、いつも議論になる「場当たり的な形式主義」の対策だと考え、冷ややかな目で見ていて、お客様には勧めていなかったのです。

(この回避策、税務のことしか考えてないと思いませんか?今回の会社法の株主権限の強化や取締役の権限を考えるとそのようなアドバイスをするというのはいかがなものかと思っていたのです。)

ところが、この法人税法35条は持株割合の考え方を政令に委任していて、政令72条にそれが定められており、その4項に、
「個人又は法人との間でその個人又は法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者がある場合には、その者が有する議決権はその個人又は法人が有するものとみなし・・・」とあり、「AもB」×ということになるそうなのです。

残念ながら、
結局、どのように回避しようとしても形式的な議論ではどうしようもない!
ということなのです。

確かに、非同族会社には適用がないこと考えると、「平等原則」には反する悪法だと思います。
(非同族会社だって社長のワンマン経営がまかり通っているじゃないか!)

しかし、税理士の立場としては、場当たり的な回避策を考えるのではなく、
納税者が適用にあたって不利益をこうむる前に、
「この法律は憲法違反である」というように国家を相手に裁判を起こすほうがスジなのではないでしょうか?
と、考えるのは私だけでしょうか??
実際には難しい話ですけどね・・・

重要な追記:まだ、実際に課税庁としても決まっていないことが多いそうで、これらの適用についてはもう少し様子を見たほうが良いようです。
あわてて、対策をして取り返しの付かないことにならないように気をつけたほうが良いとのことでした。

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投稿者 松波 竜太 on 2006年05月11日 22:18

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