調査のシーズン
法人の調査はというのは、毎年9月から翌年1月と4月から6月の間に行われます。
7月10日に異動があって8月はお盆休み、2月3月は個人の確定申告があるので、2シーズンに分かれて調査が行われるという傾向があります。
当事務所のお客様にも9月中旬以降、ポツポツと調査が入っています。
会社をやっている以上、税務調査は必ずあります。
さてここで、税務調査に関して、皆さんがどれだけ理解されているか簡単にチェックをして見ましょう。
~税務調査 理解度チェック~
□ NPO法人に税務調査はない
□ 税務調査にやってくるのはマルサだ
□ 税務調査で不利な立場になったときには黙秘権を行使しできる
□ 税務調査は税金が出なければ何日間でも調査官が粘る
□ 脱税をしていそうな法人に税務調査に入る
答えは全て×です。
一般の税務調査は任意調査といって、納税が正しく行われているかという観点からの調査となります(全ての税務調査が脱税を予定して行われるものではありません)。
任意調査といっても、正当な理由無く調査を断ることはできません(残念ながら黙秘権もありません)。
担当するのは多くの場合、納税地の所轄税務署ということになります。
現金での取引が多い業種には無予告調査が行われることがありますが、一般的には事前に電話などでアポイントがとられてから行われます。この場合、皆さんのところに所轄税務署の担当官から直接連絡があります。
以前は税理士のところに連絡があって、税理士がお客様と税務署の間に入って日程調整などをしていましたが、最近は少し対応が変わってきたようです。
税務調査は法人の規模にもよりますが、調査官が1~2人で2~3日程度かけて行われます。税額が数千万円という企業となると、調査官4~5名やそれ以上での調査となることもあります。
なぜ普段は書かない税務のことを書いているかというと、先月、突然無予告調査(現況調査ともいいます)が行われたお客様があり、スケジュールが滅茶苦茶になってしまい、テンヤワンヤになってしまったからです。
大体、初日に無予告なのは仕方が無いとはいえ、その後のスケジュールもこちらの都合も聞かずに勝手に何日まで調査をします。何ていうのは酷いと思います。
ただでさえ、10月は担当件数が9件と非常に忙しかったので、本当に全件申告できるかな~?と、正直ヒヤヒヤしました。優秀なスタッフのおかげで、ほぼ予定通りの進捗で最終段階までこぎつけましたが・・・
先月ブログの更新があまりできなかったのは、そのためなのです。
話を元に戻しましょう。
用意しておく資料としては、調査対象期間の
現金出納帳
預金通帳
総勘定元帳
請求書
領収書
受注記録
などです。
これらの物については、余計な勘繰りをされないために、付箋が貼ってあったり、余計なメモが書き込んでないかを事前に確認しておくと良いでしょう。
さらに、書類の保管状況は調査官の心象に大きく左右します。書類関係は整然と整理し、机の中などもキチンと整理整頓しておいてください。調査官は現場のチェックは必ず行います。
実際に、悪いことをしていなくとも、質問をされると「それは何かマズいのかな?」なんて自信がなくなって、良い気分がしないものです。なるべく、誤解を受けるようなものは日ごろから排除しておくほうが良いと思います。
税務調査の流れは、大体以下のようなパターンになります。
・ 1日目
[午前] 調査方針の説明
法人概要の聞き取り
[午後] 申告内容と実態との確認
・ 2~3日目
[午前] 1・2日目の続き
[午後] 実態確認中、書面で確認できなかったことの口頭確認
まとめ
この2~3日の間、ずっと調査官に付きっ切りで対応しなくてはいけないということはありません。
調査官から「日中は社長さんの忙しいでしょうから普段どおりに働いていていただいて結構です」と言われたら、素直にそれに従いましょう。顔を付合せて、一日中一緒にいると、つい余計なことを話してしまうものです。
例えば、社長が趣味の話などをして、その後の調査で自分の趣味の領収書が経費の中から出てきて否認される。なんていうことはよくある話だと聞きます。
最終日でも解決できないことや、法人側で調べなくては回答できないことは、宿題事項として後日、調査官へ連絡することになります。
また、調査の際に書類のコピーをお願いされることがありますが、法人の守秘義務に触れない範囲であれば、他に洩れることはありませんので、応じて全く問題ありません。
お昼はどうするのかという問題がありますが、贈収賄に絡む問題なので、基本的には調査官は皆さんからご馳走になることはありません。しかし気を利かせて、「お昼どうしますか?」と聞くと、「店屋物をとってもらえませんか?」という答えが返ってくることがあります。こうなると、ただでさえ、緊張していやな時間をすごしているのに、お昼まで気を使うということになりかねません。
また、昼休みには、こちらも打ち合わせをしたいところですので、私のお薦めするのは、「お昼の話題にはふれない」という対応です。
お昼について、触れずにいると、12時近くなると「ではお昼休みなのでちょっと外へ出てきます」という流れになります。
ここで、気をつけなければならないのは、せっかく、そうなったのにこちらも外へ出て食事ということになると、出先で結局鉢合わせることになる可能性があるということです。そうなると、気も休まらないし、打ち合わせも出来ません。なるべく、一息入れたいところですが、なるべく社内でお昼を済まされたほうが良いでしょう。
ちなみに、お昼について気を使ったとしても、調査がこちらに有利に運ぶということは全くありません。
その後、調査官が税務署へ持ち帰って裏づけを取ったり、処々の作業を行い、検討結果が税理士のもとへ伝えられ、調査終了となります。
調査開始から終了まで、平均で1~2ヶ月位かかります。
税務調査というと痛くもない腹を探られるようで、「怖い」というイメージをお持ちの方が多いとおもいます。しかし、日本は法治国家ですので、日ごろの出納業務と書類整備がしっかりされていれば、全く心配することはありません。
事前にできる対策としては、
・ 毎日の現金出納(記帳を含む)を正確に行う。
・ 証拠書類(請求書・領収書)を残しておく。
と、言ったことが重要です。
こんな物まで取っておかなくても良いだろう、ということで処分された書類が、調査のときにこちらの主張に必要場合が意外とあります。
また、税務調査の時の一番大切な対応は、
・ 分かることは分かると答え、分からないことはあいまいな返答をせずに、たとえ後日になっても正確な返答をする
・ コピーに応じた資料がどれかハッキリさせておく。
・ 論旨を一貫する。
といったところでしょうか。
この仕事を何年やっても調査というのは私も嫌なものです。
特に、人が作ったものをあれこれ言うのは簡単じゃないかと思うのです。それを上から目線で、「誤りは誤りとして・・・」なんて言われるからとても腹が立つのです。
また、最近思うのは、何年かに一度しか来ないから嫌なのではないかと。毎年検査のように来るものだと分かっていれば、もっと違った気持ちになると思います。
10年ぶりに調査に来て、「今回は悪質な隠蔽が見つかりましたので、7年さかのぼって修正していただきます」なんていうのを殺し文句にしているように思えます。
そもそも、7年も来ないのは国の怠慢ではないか。そもそも税務署の職員も5万6千人もいるだから、毎年検査をするということも不可能ではないのではないか。と、私は思うのです。
国の怠慢に対してなぜ懲罰的利息の延滞税を納めるのか!
釈然としないものを感じる今日この頃です。
