特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入対策 補足
※ごらん頂いている内容は平成19年度税制改正により形骸化しております。ご注意ください(詳しくは下記[関連記事]を参照)。
グラフがW型になる理由
税額最低点が、なぜこういう数値になるのか検証してみたいと思います。
処分可能利益を一定として、役員報酬を変化させていくと下のグラフのように。なります
ここでは処分可能利益1億円の例で検証してみたいと思います。
このグラフにおける第一の谷(役員報酬190万円)は、所得の最高税率40%と一段低い33%との境界にあたります。役員報酬190万円以下では、役員報酬を上げることにより、会社の利益が減ることによる法人税額の減少額が、個人の所得税の増加分を上回っています。そして、190万円を超えると、所得税率40%の効果により法人税の減少額よりも個人の所得税の増加額が上回ります。
山(役員報酬420万円)は、留保所得の40%が定額控除2,000万円を下回るポイントです。留保金課税額はこのポイントを境に小さくなります。これを受けて、法人税額の減少額が個人の所得税額の増加額を再び上回ることになり、合計の税額は再び減少を始めます。
次に、第二の谷(役員報酬560万円・法人課税所得3,786万円)は、留保所得が0となるポイントです。
最終的には役員報酬590万円・法人課税所得3,444万円の点で、税額最小となるわけですが、これは法人住民(都道府県・市町村)税の税率が法人税額1,000万円を境に税率が変わるためです。法人税額はこのポイントを境に法人税額の減少額が縮小するため、法人税の減少額よりも個人の所得税の増加額が上回ります。
最後に、1億5,000万円のグラフと比較してみます。1億5,000万円のグラフは全体的に横に伸びていますが、グラフの形はほぼ同じであることが分かります。税額最低点は住民税率が変化する点(法人課税所得3,500万円付近で法人税1,000万円以下)となることが分かります。
これが、処分可能利益1億6,700万円付近を超ええると変わります。法人税法35条対策(一人会社の報酬制限シミュレーション その4)のグラフをもう一度ご覧ください。
下のグラフの中央付近でグラフのタカ向きが大きく変化します。
それまで、右下がりだったグラフが右上がりになります。ここで、税額最小となる要素が変わるからです。
処分可能利益1億6,710万円(黄色)と1億8,400万円万円(赤)のグラフを比べてみると,1億8,400万円万円のグラフでは最低点の谷が左の谷、つまり留保所得が2,000万円をギリギリ下回るポイントで税額最小となっています。
したがって、これより先は税額最低点は、留保所得が2,000万円をギリギリ下回るポイントとなることが分かります。
つまり、可処分利益5,500万円~1億7,000万円までは、法人税額を1,000万円にするために給与所得控除の加算をカバーするように処分可能利益の上昇率より役員報酬の増加率を大きめに設定する。
そして、1億7,000万円を越した場合には法人で利益を上げたほうが税額は小さくなるので、処分可能利益の上昇率より役員報酬の上昇率を低めに設定することによって税額が最小となるということになります。
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